(サビノ視点です)



へにょと暮らし始めて暫く経ったある日、へにょが用事で出かける事になった。

俺は一人でお留守番。

何度も大丈夫だって言ったけど、へにょは心配らしくてしつこいくらいにちゃんと食べるんだよ、ちゃんと寝るんだよって言って出かけて言った。

まあ、へにょの方が合ってるんだけど。

大丈夫だなんて嘘だ。

寂しくて寂しくて、へにょの部屋に入り込んでは安心する匂いを求めていた。

夜もよく眠れないし、何も食べる気なんてしない。

ただずっとへにょを感じていたくて一日中へにょのベッドに引き籠もっていた。

そんな生活が三日くらい続いて、へにょが帰ってきた。

玄関でへにょが俺を呼ぶ声が聞こえるけど、身体に力が入らない。

へにょの焦った足音がリビングや俺の部屋を見てまわっているのが分かる。

自分の部屋のドアを開けたへにょがぐったりしている俺を見つけて慌てて駆け寄ってきた。

動けないでいる俺を抱き起こして、どうしたのかと訊ねる。

でも俺はへにょに会えたのが嬉しくて、嬉しくて、声が出なかったから代わりに思いきり抱きついた。伝わるかは分からないけど。

へにょは情けない程震えている俺の手を優しく握って大丈夫だよと言ってくれた。

その後何か作るから食べようねって俺をだっこすると、リビングのソファに俺を降ろして台所に行った。

少ししてへにょが皿を持って戻ってきて、お粥できたよって笑った。

少しずつ食べさせてくれたそれはとてもおいしくて、全部食べる事ができた。

へにょがえらいねって撫でてくれて嬉しかった。

普段ならへにょが酔ってる時じゃないと無理だけど、今日は一緒にお風呂に入って、身体を洗ってくれた。

お風呂から出ると、へにょが買ってきてくれていたワインを飲んだ。

調子に乗ってどんどん勧めていたらへにょは酔っちゃったみたいで、にこにこしながら俺をだっこして自分の部屋に入った。





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